メニュー

【注意喚起】水ぼうそうが中高生・若者に流行中!今こそワクチンでしっかり予防を

[2025.06.05]

 

 

2025年春 水ぼうそう(水痘)の流行と予防対策

2025年春、日本全国で水ぼうそう(水痘)の患者数が増加しています。特に保育園や幼稚園、小学校低学年の子どもたちの間で感染が広がっており、注意が必要です。みずぼうそうは子どもに多い感染症ですが、大人が感染すると重症化する恐れがあり、全年齢にわたる予防が求められます。この記事では、最新の流行状況を踏まえた情報とともに、症状・治療法・ワクチン接種の重要性について詳しく解説します。

水ぼうそうとは?

水ぼうそうは、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされる感染症です。主に1歳から9歳の子どもに多く見られますが、大人がかかると重症化することがあります。感染力が非常に強く、家庭内での発症率は90%とされています。

感染経路と潜伏期間

  • 空気感染:感染者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことで感染します。
  • 飛沫感染:近距離での会話やくしゃみなどで飛び散る飛沫を介して感染します。
  • 接触感染:感染者の水疱や粘膜に触れることで感染します。

潜伏期間は通常14〜16日で、まれに10〜21日と長くなることもあります。潜伏期間中もウイルスは体内に存在しており、発症直前から感染力が高まるため、無症状の時期でも周囲に感染を広げてしまうリスクがあります。

症状と経過

  • 38度前後の発熱
  • 赤い発疹(水ぶくれ)が顔や体、頭、口の中にも出る
  • 強いかゆみ

発疹は時間がたつとカサブタになります。通常、発疹がすべてかさぶたになるまでには5〜7日ほどかかります。ウイルスは水疱の中に含まれており、発疹が破れることで周囲への感染リスクが高まるため、接触には十分な注意が必要です。

また、全身状態としては倦怠感や食欲不振がみられることもあります。発疹が出る前にこれらの症状が現れることがあり、風邪と間違われやすいこともあります。小さなお子さんがぐずったり元気がない場合は、発疹が出ていない段階でも注意が必要です。

治療方法

水ぼうそうの治療は以下の通りです:

  • 対症療法:かゆみを抑えるための塗り薬(フェノール亜鉛化リニメントなど)を使用します。
  • 抗ウイルス薬:発症後48時間以内に抗ウイルス薬を内服することで、症状を軽減できます。

12歳以上や妊婦が感染した場合、重症化のリスクが高いため、医師の指導のもと適切な治療が必要です。

抗ウイルス薬(アシクロビルなど)は、皮疹が出てから24〜48時間以内の早期投与が効果的であり、発熱期間を短縮し皮疹の数を減らす可能性があります(Dunkleら, 1991年, N Engl J Med)。しかし、通常は自然治癒する病気であるため、必ずしもすべての患者に必要なわけではありません。

ワクチン接種の効果とブレイクスルー感染

日本では、2014年10月から水ぼうそうのワクチンが定期接種となりました。それ以前は任意接種であり、1回接種の方が多く見られます。

  • 1回接種:発症予防効果は約85%、重症化予防効果は約97%。
  • 2回接種:発症予防効果は約94%、重症化予防効果は約98%。

近年、2回接種していても感染する「ブレイクスルー感染」が報告されていますが、症状は非常に軽度で済むことが多いです。ブレイクスルー感染の多くは発疹の数が少なく、発熱もないか微熱程度であるため、ワクチンの予防効果は依然として非常に高いといえます。

家族内での感染リスクと対策

水ぼうそうは、家庭内での感染率が非常に高いことで知られています。感染者と同居している家族がワクチンを接種していない場合、感染する確率は約90%とされています。しかし、ワクチンを1回接種している場合、感染リスクは約50%に、2回接種している場合は約20%にまで低下します。

特に兄弟姉妹間では接触頻度が高く、寝室やタオルの共有などで感染が広がりやすくなります。家族全体で予防接種歴を確認し、未接種の場合は早めに接種を検討することが大切です。また、高齢の祖父母が帯状疱疹を発症している場合、その帯状疱疹から水ぼうそうが感染するケースもありますので、家庭内でも注意が必要です。

予防接種の重要性

水ぼうそうの予防には、ワクチン接種が最も効果的です。特に以下のような方々には接種をおすすめします:

      • ワクチンを未接種もしくは1回しか接種していない方(2013年以前の生まれの方は未接種、もしくは1回接種のみの方が多い)
      • 水ぼうそうにかかったことがない方
      • 妊娠を希望している女性(妊娠中の感染は胎児に影響を及ぼす可能性があります)

ワクチン接種は、自己の健康を守るだけでなく、家族や周囲の人々への感染拡大を防ぐためにも重要です。もし過去の接種歴が不明な場合は、医師に相談のうえ抗体検査を行い、必要に応じて追加接種を受けると安心です。

登園・登校の目安と医療機関の受診タイミング

学校保健安全法により、水ぼうそうと診断された場合、すべての発疹がかさぶたになるまでは登園・登校ができません(通常は発症から7日程度)。また、保育施設では医師の登園許可証が必要になるケースが多いため、かかりつけの小児科で確認しましょう。

発疹が確認されたら、できるだけ早く医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。特に初期症状(発熱、倦怠感、発疹など)が出た際には、周囲への感染を防ぐためにも外出を控え、受診の際もマスクを着用しましょう。

よくある質問(Q&A)

Q1. 水ぼうそうは何歳くらいで多いの?
A. 1〜4歳くらいが多いですが、ワクチンを受けていない中高生や若年層にも最近増えています。
Q2. 大人がかかるとどうなる?
A. 重症化しやすく、肺炎や脳炎になることもあります。
Q3. かゆみがひどい時はどうする?
A. かゆみ止めの塗り薬が処方されます。かかないように注意が必要です。
Q4. お風呂に入ってもいい?
A. 発熱がなければ短時間の入浴はOKですが、清潔を保ちましょう。
Q5. 予防接種は何回受ければいい?
A. 2回受けることで、より強い免疫がつきます。
Q6. 妊婦さんがかかると?
A. 重い合併症や胎児への影響が出る可能性があるので、注意が必要です。
Q7. 兄弟が感染したら?
A. ワクチン未接種だと高確率で感染します。2回接種していると感染リスクは大幅に下がります。
Q8. ワクチンは大人でも受けられる?
A. はい、任意で受けられます。特に感染歴のない方は接種をおすすめします。
Q9. 一度かかったらもうかからない?
A. 基本的にはかかりませんが、免疫が弱っていると再発(帯状疱疹)することもあります。
Q10. どこで予防接種が受けられる?
A. 小児科や内科で接種可能です。もちろん当院で予約もできます。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME