アウェアネス・リボンを知ろう
リボン運動を知っていますか?
皆さんは”リボン運動”という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
毎年10月1日になると東京タワーがピンク色にライトアップされ、多くの人の目につくような活動が行われています。
その活動は『ピンクリボン運動』の一環であり、乳がんの予防・啓発活動を主軸にしています。乳がん検診の大切さを伝え、患者さんを支えていくなど、リボン運動を通して啓発活動や支援の意思表示を行うことが”リボン運動”であります。
リボン運動にはいくつか種類があり、それらの啓発活動や意志を示すために身につけるリボンを総称して『アウェアネス・リボン』と呼ばれています。
アウェアネス・リボンとは?
輪状に折った短い一片のリボンであり、社会問題に対してさりげない支援や賛同の声明を出す方法として使用されているものです。24種類のリボンがあり、それぞれのリボンの色には啓発や思いが込められています。
今回はその中のいくつかを抜粋し、紹介させていただきます。
ピンクリボン
乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の大切さを啓発するシンボルマークです。
始まりは、1980年代のアメリカで「同じ悲劇が繰り返されないように」と、乳がんで家族を失った人たちの願いによって作られました。
日本での乳がん患者は年々増加しており、日本人女性の12人の1人という高い確率です。
ピンクリボン運動では、「保護者が乳がんに罹患していたり亡くされたりしている高校生への奨学金の寄付」や、「乳がん検査ができる環境づくりの取り組み」、「乳幼児を療育中で抗がん剤治療中のお母様へお子様の一時保育費用の補助」などの様々な活動をしています。
オレンジ
児童虐待防止運動のシンボルマークです。
きっかけは、栃木県小山市で2人の幼い兄弟が虐待の末殺害されたという痛ましい事件でした。この事件は、一度虐待を認識した大人が通報したことにより兄弟は保護されたものの、周りの諸機関が適切な措置を取らなかったために発展してしまいました。
虐待による死亡数は年間50件を超え、1週間に1人の子どもが命を落としていることになります。
オレンジリボン運動は、こどもの虐待のない社会を目指して家族もふまえた様々な活動を行なっています。
パズルリボン
パズルリボンは自閉症への支援や理解を表明するシンボルマークであり、 ジグソーリボンとも言われています。
パズルのピースが組み合わさったデザインは、自閉症の複雑さ、多様性、個々の違いを示しています。
偏見のない世の中を目指すための重要な啓蒙活動であり、 また同じ悩みを持つ仲間を結びつけるアイテムにも活用されます。
ゴールドリボン
ゴールドリボンは、小児がんの子どもたちを支える活動のシンボルマークです。
「子どもは宝」「金のように大切なもの」と言う考え方から、ゴールドリボンと言う名前がつけられました。
小児がんの子どもが【辛い経験や挑戦を乗り越えて、より強く幸せになれるように】と願いが込められています。
小児がんは一般的に15歳未満の子どもに起こる(悪性腫瘍)をいいます。そのような子どもたちに対し、「治療で髪の毛に悩んでいる子どもにニット帽のプレゼント」「小児がんの経験者・家族へ、情報共有の提供やイベントの招待」「遠方での治療が必要方への交通費や宿泊費の補助」「小児がんの情報提供」など様々な取り組みを行っています。
イエローリボン
イエローリボンは様々な国で使われていますが、国によって大きく内容が異なります。
例えばアメリカでは、戦争に送られて祖国へ帰れなくなった兵士たちに対して、帰りを待ちわびているという思いを表すシンボルとなっています。
日本では、障害を持つ人の自立と社会参加を願うシンボルマークとなっています。
イエローリボン運動では2006年に国連にて採択された「障害者の権利に関する条約」に基づいて、人々の意識を変え障がいのある人もない人も共に暮らし、全ての人が参加できる社会をみんなでつくっていく取り組みを広めていくための運動です。
イエローリボンバッジ・イエローリストバンド | 日本障害者協議会
ブルー&イエロー
ダウン症への理解と支援を表明するシンボルです。
【約100人に1人の確率で生まれてくるダウン症を持った人、彼らの笑顔は周りを幸せにしてくれます】という思いが込められています。
3月21日は国連が定める「世界ダウン症の日」があります。ダウン症のある人たちがその人らしく、安心に暮らして行けるよう、世界に呼びかける日です。その日にブルー&イエローのブレスレットやピンバッチを身につけることで、同じ仲間を結びつける支援を行うことができます。
おわりに
リボンには他にも、レッドリボン(エイズの理解・支援)、シルバーリボン(膿に起因する病気や障害を持つ人への理解)、バイオレットリボン(がん患者の生活の改善)、そら色リボン(性同一性障害への理解)など、これら以外にも様々な種類があります。
リボンの色にはそれぞれ意味が込められています。特定の色のリボンを身につけることでその色の意味する事柄を支援していると表現することができ、啓発活動にも繋がります。
こういった支援の多くは、賛同する多くの人による寄付金で活動することができています。
気になった支援団体に寄付をしたり、社会問題について家族や友達と話し合ったりして理解を深めることも、社会をより良くすることに繋がります。
この記事を読んで、こうした社会問題に少しでも興味を持ち、より深く知ろうと思っていただけたらご自身でもぜひ調べてみて下さい。
引用文献)
アウェアネス・リボンとは 色に込められた思いと概要|AWARENESS RIBBON