熱性けいれん
こんにちは。
アクアキッズクリニックです。
今回は『熱性けいれん』についてです。
こどもたちは体が未熟なため、熱を出した時に、けいれんを起こす可能性があります。
詳しく、ご説明していきたいと思います。
熱性けいれんとは?
主に生後6ヶ月〜満60ヶ月(満5歳)までの乳幼児期に起こる、通常は38度以上の発熱に伴う発作性疾患(けいれん性、非けいれん性を含む)です。
けいれん症状があるものでも、髄膜炎などの中枢神経感染症や代謝異常、その他明らかな発作の原因があるもの、てんかんの既往があるお子さんは診断から除かれます。
熱性けいれんは、突発性発疹やインフルエンザなどの高熱がでる疾患に起因して発現することもしばしばあります。
日本では10人に1人程度の方が経験すると言われている疾患であり、成長発達に問題がないお子さんでもみられるものです。
再発率は約30%であり、過半数のお子さんは一生のうちに1回だけの発作で終わります。
予後は良好であり、大多数はてんかんに進展することはないと言われています。
熱性けいれんの原因は、現在まで明らかになっていませんが、
発熱による神経ネットワークの制御が取れなくなることにより、けいれんが起こると推測されています。
また、両親やきょうだいに熱性けいれんの経験があると、発症する可能性が高まると言われ、遺伝的な因子が関与しているとも推測されています。
症状は?
38度以上の発熱時で、通常は発熱してから24時間以内にけいれんが生じることが多いです。
けいれん症状として、
- 手足が硬く突っ張る(強直性けいれん)
- 手足をピクピクさせる(間代性けいれん)
- 初めは硬く突っ張りその後ピクピクする(強直・間代性けいれん)
- 意識消失
- 顔色が悪い
- 手足の脱力感
などがみられます。
けいれんが起きている間は、目線が合わない、周囲に対して反応がみられないことが多く、一般的には2〜3分ほどでけいれんは治ります。
熱性けいれんには、【単純型熱性けいれん】と【複雑型熱性けいれん】の2種類があります。
【単純型熱性けいれん】
持続時間が15分未満の全般性(全身的に起こるもの)の発作で、24時間に複数回反復しない。
【複雑型熱性けいれん】
焦点性(けいれんが体の半分や、一部に起こる局所性のもの)の発作、15分以上持続する発作、24時間以内の複数回の発作の1項目以上を満たすもの。
診断、検査
熱性けいれんは、発熱に伴うけいれん発作で、髄膜炎やてんかんなど明らかな原因を否定することで診断されます。
熱性けいれん以外の病気が原因でないか調べるために血液検査や、場合によっては髄液検査、頭部画像検査(CTやMRI)、脳波検査が行われることがあります。
けいれんが起きた時に家族の方がすべき対応
けいれんが起きたら、驚かれると思いますが家族の方が落ち着いて対応してあげることが大切です。
まず周囲の安全を確保しましょう。
衣類を緩め、嘔吐した場合に窒息しないよう顔を横向きにします。
口腔内に物を詰めたりすることは、呼吸抑制や誤嚥のリスクを高めるため危険とされています。
そして、けいれん発作の持続時間、けいれんの様子を観察し、余裕があればけいれん中の様子を動画撮影をしておくと良いでしょう。
撮影した動画は、病院に受診した際に医療者に見せて下さい。
また、けいれんが5分以上続く場合は救急車を要請してください。
ジアゼパム坐剤(ダイアップ坐剤)を使用するタイミング
熱性けいれんは、体温が急激に上昇するときに起こりやすいと言われています。
37.5度前後の発熱に気づいた時に、できるだけ速やかにジアゼパム坐剤を1個、肛門内に挿入してください。
また、38度以上の発熱が続く場合には、8時間後にもう一度坐剤を挿入してください。
2回目の坐剤を挿入後は、その後16時間けいれん症状を抑制する有効濃度を保つと言われています。
また、解熱薬坐剤を併用する場合は、ジアゼパム坐剤の挿入後、30分の間隔を空けて使用して下さい。
ダイアップ坐剤の管理・使用方法
管理方法
通常室温保存(30度以下)ですが、できるだけ冷蔵庫などの冷暗所に保管して下さい。
使用方法
坐剤に塗るゼリー(潤滑剤)などを付けてから、坐剤の太い方から肛門に挿入します。
挿入したら5秒ほどおしりから出てこないように押さえてください。
高田製薬が提示しているダイアップ説明
当院での対応
アクアキッズクリニックでもけいれん症状に対して診察することができます。
数分でけいれんが落ち着いた場合で、その後の対応などにお困りであれば当院に来ていただき今後の対応についてや、お薬の処方など医師・看護師から説明させていただきます。
また、医師の診断のもと、必要に応じて他院への紹介をさせていただきます。
少しでも不安なことがあれば、遠慮なくアクアキッズクリニックへ受診してください!