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夏の3大感染症

[2023.06.02]

こんにちは、アクアキッズクリニックです。
最近暑い日が増えてきましたね。
夏が近づいてくる時期に伴って、当院でも「ヘルパンギーナ」や「手足口病」、「アデノウイルス」と診断されるお子さんが増えてきました。

今回は夏風邪の代表であるこの3つの感染症についてお話していきたいと思います。

【ヘルパンギーナとは】

ヘルパンギーナは、エンテロウイルス属のコクサッキーウイルスA群によって引き起こされる感染症で、乳幼児を中心に夏に流行する感染症です。

2〜4日の潜伏期間の後、38 度以上の突然の発熱に続き、口の中にできる水疱(小さな水ぶくれで、痛みを伴います)が 1 週間程度続きます。のどの痛みで食事や水分がとりにくくなり、脱水症状をおこすことがあるため、水分補給を心がけることが大切です。

【手足口病とは】

手足口病は、コクサッキーウイルスA16とエンテロウイルス71型によって引き起こされる感染症で、ヘルパンギーナ同様、乳幼児を中心に夏に流行する感染症です。

平熱〜微熱や喉の痛みがあり、手のひら・足の裏・口の中・膝などに小さな水疱が認められ、1週間程度で自然治癒しますが、エンテロウイルス71型では無菌性髄膜炎や脳炎を合併することがあります。

コクサッキーウイルスA6による手足口病を発症したあと、1〜2か月経って爪の脱落がみられることがよくあります。

【アデノウイルスとは】

アデノウイルスは現在60種類以上もの型に分類されており、それぞれのウイルスにより様々な症状が出現します。潜伏期間は数日〜1週間程度と言われています。

当院では医師の診察にてアデノウイルス感染が疑われる場合に、咽頭や結膜を拭い、迅速検査で診断をつけることが可能です。

 

咽頭炎

のどの赤み、扁桃の白苔(白色の苔状物)などが特徴で、のどの赤み・高熱・結膜の充血症状がみられると、咽頭結膜熱と診断されます。咽頭結膜熱は、プールでの接触やタオルの共用により感染することもあるので、プール熱と呼ばれることもあります。

通常、6月ころから徐々に流行しはじめ、7~8月にピークとなります。咽頭結膜熱は38〜39℃の高熱が数日〜1週間続きます。目の症状は一般的には片方からはじまりますが、多くの場合はもう一方にも広がります。また、頭痛や吐き気、腹痛や下痢が起こることもあります。

胃腸炎

下痢を主な症状とする急性胃腸炎を引き起こし、腸重積発症の要因ともされています。

結膜炎
流行性角結膜炎(はやり目)

はやり目に感染すると、1週間ほどの潜伏期間を経て下記のような症状があらわれます。

    • 目が充血する
    • 涙が出る
    • 目やにが出る
    • 目がゴロゴロして痛む

【感染経路】

 今回ご説明している3つの感染症は、いずれもウイルス感染症であるため抗生剤の内服は効果がありません。ウイルスが含まれた咳やくしゃみを吸い込んだり、手についたウイルスが口に入ったりすることで感染します(飛沫感染)。症状がおさまった後も、患者さんの便の中にはウイルスが含まれています(2~4 週間)。水疱の内容物や便に排出されたウイルスなどが手を介し、口や眼などの粘膜に入って感染します(経口・接触感染)のでトイレ使用時やオムツ交換の際には注意が必要です。

【治療】

 特別な治療法は無く、症状に応じた対症療法が行われます。

口の中に水疱ができて痛い、のどの炎症が強い場合は食事がとり難いため、柔らかく薄味の食事を工夫し、水分補給を心がけることが大切です。また、普段の食事が難しい場合は以下のようなものをお試し下さい。

      • ゼリーやプリン、ヨーグルト
      • アイスやジュース
      • 豆腐
      • 冷ましたおかゆ

頭痛やおう吐、発熱が続く場合は医師に相談してください。

【自宅での対応】

感染予防には、こまめな手洗いが有効で、トイレの後やオムツ交換の後、食事の前には手洗を心がけ、集団生活ではタオルの共有は避けましょう。また、咳やくしゃみをする時には口と鼻をティッシュ等でおおう等、咳エチケットを心がけましょう。

【登園のルール】

ヘルパンギーナ・手足口病

24時間、熱がなく、食事を普段どおりとることができれば登園可能です。
お住まいの地域、保育園・幼稚園・学校によっては登園許可証を求められることがありますのでご確認の上、必要な場合はお声掛けください。

アデノウイルス

咽頭結膜熱(プール熱)や流行性角結膜炎(はやり目)と診断された場合、学校保健法により出席停止基準が設けられています。

咽頭結膜熱

発熱・咽頭炎・結膜炎などの主要な症状が治まったあと2日を経過するまで。目安としては、解熱してから2日間は休む必要があります。

流行性角結膜炎

医師が感染の恐れがないと認めるまで。
目安としては、目の充血や涙、痛み、目やにがなくなるまで休む必要があります。

【まとめ】

今回は夏の3大感染症についてお話しました。どのウイルスも感染力が強いので集団生活をされているお子さんは、予防が難しいこともあるかもしれませんが、おうちに帰ったら手洗いうがいをしっかりしましょう。これからどんどん暑くなりますので、水分摂取を意識して行い、熱中症にも気をつけて元気に過ごしていきましょう。

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