メニュー

こどものじんましん

[2024.03.10]

「じんましん」という言葉は普段からよく耳にすると思いますが、具体的にどんなものかご存知でしょうか?

じんましんと聞くと、何かのアレルギーなのでは?と不安になってしまうと思います。

 今回はじんましんについて、アレルギーの内容を踏まえながらお話していこうと思います。

【じんましんって何?】 

「じんましん」とは、

なんらかの原因により皮膚の一部分が赤くくっきりと膨れ上がる(膨疹)病気です。

かゆみを伴うことが多く、中には半日〜1日中続くものもありますが、
ほとんどは数十分〜数時間で消えてしまいます。

一旦症状が消えても別の場所に出たり、
症状が強いと範囲が広がったりすることもあります。

じんましんは大きく分けると、以下の2つに分類されます。

①急性じんましん

毎日のように繰り返し症状が現れるじんましんのうち、1ヶ月以内に消失するもの

②慢性じんましん

毎日のように繰り返し症状が現れるじんましんのうち、1ヶ月以上経過したもの 

また、アレルギーが原因となる「アレルギー性じんましん」と、
それ以外の「非アレルギー性じんましん」があります。

アレルギー性じんましんは、原因の多くは食べ物や薬剤であり、
原因となる物質を摂取または接触した後、15〜30分程度で症状が出てきます。

 

【どうやって診断するの?】

皮膚の状態を実際にみたり触ったりして診断します。
ただし、じんましんは数時間で引いてしまうことも多く、受診時に消えてしまっている可能性もあります。
写真があると、原因の特定や治療法の選択等の診断に役立ちますので、症状があるうちに写真を取っておきましょう。

 

【原因は?】

じんましん、と聞くと原因は「食物が原因で出たアレルギー症状なのではないか?」と思う方も多いと思います。
しかし、実は食べ物以外が原因となることが多く、その中でも原因を特定できるのは全体の1割〜3割程しかありません。

じんましんの原因には、食べ物以外にも、薬剤・刺激(まさつや圧迫)・温度の変化・ストレス・細菌やウイルス

など、様々なものがあります。

特にこどもは、原因がわからないことが多く、
風邪をひいたときや季節の変わり目など小さな体調の変化でじんましんが出ることも少なくありません。

 

【血液検査は必要?】 

前の項目でご説明した通り、こどものじんましんは原因がわからないことがほとんどです。

体調や環境の変化だけでも症状が出ることがあるため、
目星がついていない状態で血液検査をしても、
原因の特定に至らず痛い思いをするだけになってしまう可能性があります。

血液検査の結果

特定の食べ物のアレルギー判定が陽性と出たからといって、その食べ物で症状が必ず出るとは限りません。

そのため、血液検査をする場合にはこれまでの※経過が非常に重要になります。
※経過とは:何を食べたか?どんな症状が出たか?食べた後何分後に出たか?食べるたびに出るのか?など

例えば

採血検査の結果、特定の食べ物によるアレルギー判定が陰性と出ても、
食べるとアレルギー症状が出る人もいますし、
逆にアレルギー判定が陽性でも症状が出ない人もたくさんいます。

特定の食べ物を食べた後、どれくらい経ってから、どのような症状が出たのか。
また、特定の食べ物を食べて症状が出たことが何回あるのか、などのお話を聞いて、
特定の食べ物によるアレルギーによる可能性が高いと判断された際には血液検査を実施していきます。

血液検査は

痛みや恐怖心を伴う検査になります。
検査をして原因を特定することでどのようなメリットがあるのか、
特定できる可能性が高いのかなどしっかり先生とお話しして、血液検査について検討していきましょう。

 

【治療】 

  • 「原因や悪化因子を探してそれを取り除く」
  • 「薬による治療」

この2つ治療の中心となります。

じんましんは様々な種類がありますが、いずれも肥満細胞からヒスタミンが放出され、血管や神経に働くことで症状が現れます。
塗り薬はほとんど意味が無いため、
薬の治療は、このヒスタミンを抑える「抗ヒスタミン薬」「抗アレルギー薬」がメインとなります。

 

また、血液検査や病歴から、食べ物によるアレルギーだと判断された場合には特定の食べ物の除去や★食物負荷試験をすることもあります。

-----★食物負荷試験とは-----

アレルギーが確定している、もしくはアレルギーが疑われる食品を少量ずつ摂取し、症状の有無を確認する検査になります。

「原因食物の確定診断」
「安全に摂取できる量の決定」
「症状の出現がなく、食べられるようになったかどうかの確認」

などが目的です。

-------------------

アレルギー症状の程度や、血液検査の数値によって、クリニックや自宅で実施するか、大きな病院へ紹介して実施するかは変わってきます。

 

【じんましんが出てしまったら?】

〇冷やす

じんましんは、痒みを伴うことが多いため、冷タオルや、タオルで包んだ保冷剤などを利用して冷やすと痒みが和らいで楽になります。

〇入浴について

体が温まると症状が悪化することが多いため、入浴は控え、シャワーなどで済ませましょう。

〇病院の受診について

皮膚の赤いブツブツのみで本人が元気であれば、すぐに病院を受診する必要はありません。
症状が続いたり、痒みがつらいようであれば受診して下さい。
また、特定の食べ物を食べたあとに毎回出るなどのエピソードがあれば検査も視野に受診しましょう。

じんましんに加え、
下記の注意する症状が当てはまると「アナフィラキシーショック」といい、
緊急性が高く命に関わる可能性があります。
すぐに病院を受診するか、救急車を呼んで対応しましょう。

<注意する症状>
  • 咳や、声のかすれ、食事や水分を嫌がり飲み込みづらそうにしている
  • 肩で呼吸したり、ゼーゼー音がする
  • 嘔吐や、お腹を痛がって押さえている様子
  • ぐったりしていて意識がはっきりしない

 

【最後に】

じんましんはお薬を飲むことで速やかに症状が改善することがほとんどです。

見た目にびっくりしてしまうかもしれませんが、まずは冷やすなどしてお家でもできることを試してください。
症状が続いたり、痒みがつらいようであれば、小児科を受診しましょう。

子どもの場合、じんましんの原因がわからないことがほとんどですが、
特定のものを食べたなどのエピソードがあれば、食べた時間や食べ物の内容など、診察の際に詳しく教えてくださいね。

不安なことやわからないことがあれば、是非相談しにきてください。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME