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感染性胃腸炎/アデノウイルス/溶連菌

[2023.12.01]

こんにちは、アクアキッズクリニックです。

最近は急に寒くなり、体調を崩してしまう人が増えていますね。
皆さんも、寒さに負けず、この冬を乗り切りましょう!

 

今、寒さと同時に、子供たちの間では「感染性胃腸炎」「アデノウイルス」「溶連菌」が急増しています。

今回は、この3つについてご紹介していこうと思います。

 

【感染性胃腸炎】

感染性胃腸炎とは?

 感染性胃腸炎とは、ウイルスや細菌などによる病原体による感染症です。
 胃や腸に不調をきたすのが特徴で、症状としては発熱・嘔気・嘔吐・腹痛・下痢などがあげられます。
 原因の多くはウイルスによるもので、冬に流行するノロウイルスやロタウイルスなどがあります。

治療方法

基本的には、整腸剤や痛み止め制吐剤などの対症療法となります。
嘔吐や下痢により、脱水を起こす可能性があるため、水分摂取も欠かせません。
胃腸炎の際、嘔気や嘔吐により食事が取れないことも多くあります。
子供達は容易に低血糖になってしまうため、食事が取れていない場合には、水やお茶だけではなく、イオン水(OS-1)や甘いジュース(リンゴジュースなど)、プリンなどから糖分を摂ることも大切です。

感染経路と予防について

感染経路は、病原体が付着した手で口に触れることによる「接触感染」と、吐しゃ物への接近や、咳・くしゃみなどによる「飛沫感染」があります。
原因菌であるロタウイルスやノロウイルスは非常に感染力が強く、アルコールにも強いという特徴があります。消毒の際には次亜塩素酸を使用しましょう。

【アデノウイルス】

アデノウイルスとは?

 アデノウイルスは、発熱・咳・鼻水・嘔吐・下痢・腹痛・咽頭痛・目の充血など様々な症状を引き起こすウイルス感染症です。
 アデノウイルスはなんと、50種類以上もの型があり、感染したウイルスの種類によって症状の出る場所も、病名も変わります。

①呼吸器感染症

咽頭痛や扁桃炎、リンパ節の腫れなど、のどの症状が特徴的で発熱が伴うことが多い。

②プール熱(咽頭結膜熱)

38℃以上の高熱が4~5日、長いと1週間前後続くことがあり、のどの痛みや腫れに加え、目の充血や目やにの症状が伴う。

③流行性角結膜炎

 発熱や、のどの痛みなどの症状はなく目の充血や、めやにの症状が出る。

上記以外にも、胃腸炎や出血性膀胱炎などもあります。

治療方法

ウイルスによる感染症のため、いわゆる特効薬はなく、対症療法となります。
症状に合わせて解熱鎮痛剤や点眼薬を処方することもあります。

お熱やのどの痛みにより食事や睡眠がとれない際には、解熱剤などのお薬を使用し、脱水や低血糖には十分注意しましょう。
のどの痛みがある際にはやわらかく、のどごしの良い、うどんやプリンなどを摂るようにしてみてください。
また、高熱が続き、食事や水分の摂取量が減りぐったりするようであれば、はやめに医療機関を受診しましょう。

予防について

アデノウイルスは感染力が強いため、感染対策が重要になります。タオルやお風呂・食器は共有しないようにしましょう。
また、洗濯物を介して感染する可能性がある為、洗濯の際には感染者とそれ以外の家族の洗濯物を分けて、汚染した際は消毒をしてから洗濯しましょう。
アデノウイルスは熱に弱いという特徴もあり、衣類乾燥機を使用したり、熱湯に浸けたりしてから洗濯したりするのも効果的です。

アデノウイルスは、一般的なアルコール消毒は効きづらいとされています。
消毒の際には、次亜塩素酸ナトリウムを使用してください。

【溶連菌感染症】

溶連菌感染症とは?

 溶連菌とは、A群溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌による感染症です。
発熱に加え、のどの痛みや腫れが多く、のどに白い膿のようなもの(白苔)がつくことや、体の発疹、舌に赤くぶつぶつ(イチゴ舌)が出ることもあります。咳や鼻水が少ないのも特徴です。

 ただ、これらの症状がすべて出現するわけではなく、小さいお子さんの場合、症状がはっきりとしないこともあります。

治療方法

溶連菌感染症の治療には、抗生物質を使用します。
お熱やのどの痛みがあれば、症状に合わせたお薬も使用することがあります。
溶連菌そのものは、抗生物質を飲んで1日程度でほとんど除菌されますが、再発や合併症を予防するために、処方された日数をきちんと飲み切ることがとても大切です。

合併症について

溶連菌は再発してしまうと、「糸球体腎炎」や「リウマチ熱」、「血管性紫斑病」などの合併症を引き起こし、重症化してしまう可能性があります。
お熱やのどの痛みがなくなっても、自己判断で薬を中断せず最後まで飲み切るようにしましょう。

 

登園(登校)許可について

○感染性胃腸炎

 出席(登園)停止期間などは定められていませんが、園や学校によっては医師に登園(登校)許可を確認するよう求める場合があります。その際には嘔吐や下痢が落ち着いたら受診するようにしましょう。

○アデノウイルス

 感染力が強いため、学校保健安全法により出席停止期間が定められています。病名や症状により期間が異なります。

 ・咽頭結膜熱(プール熱):発熱や喉の痛み、目の充血など主症状が治ってから2日間経過するまで出席(登園)停止

 ・流行性角結膜炎:感染の恐れが無いと認められるまで出席(登園)停止

○溶連菌感染症

 学校保険安全法で、「抗生剤治療開始後24時間を経て全身状態が良ければ登校(登園)可能、と定められています。

 

最後に

感染性胃腸炎は寒い時期に流行りやすい病気です。
以前紹介した、食中毒の予防と同じように頻回な嘔吐・下痢がみられる場合には注意して対応しましょう。

また、夏の病気の代名詞でもあったアデノウイルス、溶連菌ですが今年は、この冬の時期にも猛威を奮っています。
インフルエンザウイルスが通年性にみられるようになったのと同様に、感染症の季節感はなくなっています。
いつでも油断せず、手洗いうがいなどの感染予防対策をしっかりとおこなって冬を乗り越えていきましょう!

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