子どもたちへの正しいスキンケア方法
アクアキッズクリニックです。
子どもたちのお肌はとってもデリケートです。
急に赤みや湿疹が出て、スキンケア方法について悩むご家族の方も多いのではないのでしょうか。
そこで今回は、子どもたちのお肌を守るための正しいスキンケア方法についてご紹介させていただきます。
スキンケアの重要性
子どもたち(特に乳幼児)の皮膚は大人の半分ほどの厚さです。
また、水分と皮脂がとても少なく、容易に皮膚が乾燥したドライスキンになりやすい状態です。
乳幼児の皮膚はバリア機能が弱く、病原菌やアレルゲンなどが侵入し、トラブルを起こしやすい特徴があります。
そのため、皮膚トラブル予防のためのスキンケアがとても大切です。
体の洗い方
スキンケアの前に皮膚についた汚れを落とすことが大切になるので、お風呂での体の洗い方について説明していきます。
体を洗う石けんの選び方のポイント
・添加物の少ないもの ・固体や液体、泡状など色々な形状があるが、どんな形状でもOK!(便利さで言えば泡で出てくるポンプ式の石けんがオススメ) |
となります。
石けんはしっかり泡立てて使用し、ガーゼやタオルなどの皮膚に刺激になるもので洗うことは避け、なるべく素手で洗いましょう。
そうすることで皮膚への刺激を最小限にすることができます。
また、体を洗うときは皮膚が重なるような関節部位(具体的には首、指の関節、わきの下、ひじ、ひざ、腰、おしりの下など)はしっかり伸ばして洗いましょう。
関節部位はしわが多く、しっかり洗ったつもりでも洗えていないことが多い場所になります。
洗顔は嫌がる子どもたちが多く、なかなか洗うことが難しい箇所であると思います。
目の周りを洗うことを避けたり、泣かせないようにと手早く洗ってしまいがちだと思います。
ですが、眼の周りは他の場所よりも皮膚が薄いため、より皮膚を清潔に保ち、スキンケアで保湿してあげることが必要になります。
頬や口周りは、よだれや食べ物などの汚れをきれいに落としたい場所であるため、コツを掴んでしっかり洗ってあげましょう。
1.頬やおでこなどから洗い、その後、口周りを洗う。
2.まぶたを上から下側に、目頭から目尻にと円を描くように洗う。そうすることで、顔をそむけることが少なくなります。 ★ポイント★ たっぷりの泡だと、目を開けても石けんが目に入り込みにくくなります。 3.洗い終わったら、素早くシャワーをかけ、しっかりとすすぐ。 ★ポイント★ シャワーをかけるときも子どもたちは驚いて目を閉じてくれるので、怖がらずに目の周りも丁寧に洗いましょう。 息ができるよう、すすぐときは呼吸に合わせてかけたり離したりを繰り返して下さい。 4.すすぎ終わったら、すぐに乾いたタオルで拭く。 ★ポイント★ 子どもたちは、大人よりも体重に対しての体表面積が大きいため周囲の環境温度に影響を受けやすいです。そのため、お風呂あがりにすぐ体を拭いてあげることで、体温の低下を防ぐことができます。 |
お風呂あがりの保湿剤の塗り方
お風呂から上がったら、すぐに保湿をしてあげましょう。皮膚にある汚れを落とした時に、体の皮脂も洗い落とされてしまうため、お肌が乾燥しやすい状態にあります。
《塗るときのポイント》
適切な量をしっかり塗ってあげましょう
ご両親の人差し指の第一関節分(約0.5g)の軟膏を指にとり、両手のひらになじませて下さい。ご両親の手のひらの面積が、子どもたちに塗れる皮膚の面積です。すり込むように塗り拡げると軟膏が薄くなるため、やさしく押し塗りして厚みをもって塗ってあげましょう。また、からだを洗う時と同様にシワを伸ばしながら塗ることも大切です。
ステロイドについて(当院での治療スケジュール紹介)
子どもたちの身体は新陳代謝が活発なので、容易におむつや衣類、掛け物などで蒸れやすく、湿疹ができやすいです。保湿剤だけで皮膚の状態がコントロールできない場合は、ステロイドを併用することで、症状が改善することがあります。
ステロイドと聞くと副作用が心配と思われる方も多いと思いますが、当院では医師がお一人ずつしっかりと診察させていただき、お肌の状態を見て適切な期間、適切な強さのステロイドを選択させていただきます。
1例ではありますが、当院でステロイドを開始する際の治療スケジュールをご紹介させていただきます。
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①朝夕:ステロイド+保湿剤(2週間) ②朝:保湿剤のみ、夕:ステロイド+保湿剤(2週間) ※まずは治療開始後2週間で皮膚状態の様子を見させていただき、治療スケジュールを検討させていただきます。 |
あくまで一例になりますので、医師の診察のもと、患者さん個人に合わせて治療スケジュールを考えさせていただきます。
亜鉛華軟膏について
おむつをしていると、どうしても中で蒸れてしまい、おしりに赤みが出やすいですよね。おむつが外れるまでは、おむつかぶれとイタチごっこのように付き合っていかなければならない場合もあります。そのため、対症療法として亜鉛華軟膏といった粘度の高い、撥水性のある軟膏を処方する場合もあります。
おしりの赤みのある部位に、亜鉛華軟膏をお尻に壁ができるくらい(厚さ3mm程度)塗布し、排泄物の刺激から守ってあげましょう。赤みが引いたら塗ることをやめて大丈夫ですが、また赤みが出てきたら再開してあげましょう。
皮膚トラブルはアレルギーの入り口
通常、皮膚にはバリア機能という働きが備わっており、ダニや食べ物のアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因となるもの)や細菌などが体の中に侵入してこないよう、皮膚を健康な状態に保っています。
子どもたちは大人と比べて、このバリア機能がまだ十分に発達していません。
一部の子どもたちは皮膚が乾燥しやすく、本来なら皮膚から入ってこないはずのアレルゲンが皮膚の中に入りやすい状態になり、”アレルギーの入り口”になりかねません!
食物アレルゲンが皮膚の中に入ってしまうと、その食物に対するIgE抗体が作られて、食物アレルギーになる場合があります。
そのため、皮膚についたアレルゲンを洗い落とし、乾燥する前に保湿をして、アレルゲンが侵入できないような健康なお肌にしておくことが大切です。
子どもたちの皮膚のバリア機能は生まれつき個人差があります。
しかし、お肌はスキンケアで強化出来る場合がありますので、お肌のトラブルでお困りな際は当院に受診していただき、一緒にスキンケア方法を考えていきましょう!