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赤ちゃんの脱臼と肘内障

[2024.09.15]

今回は赤ちゃんの股関節脱臼子どもの肘内障についてのお話しです。

赤ちゃんの足がM字型がいいことや、「脱臼」や「肘内障」という言葉はなんとなく知っているけど、
いざ我が子が脱臼や肘内障になった場合どのように対応したらよいのかわからなかったり、
そもそもどういう症状なのか詳しくわからない方のために「脱臼」と「肘内障」を分けてご説明していきます。

 

赤ちゃんの股関節脱臼とは?

赤ちゃんの股関節脱臼は生まれてすぐよりも、生まれた後股関節に良くないことが影響して脱臼に進んでいくことが多いです。
逆を言えば股関節によいことをすれば脱臼のリスクは軽減できると言うことです。

そもそも脱臼とは何らかの原因で関節が外れてしまうことです。

骨盤の臼蓋(受け皿)から大腿骨の骨頭(受け皿にハマるボール)がずれてしまう状態です。

 

治療法

脱臼していた場合はかならず治療が必要となります。赤ちゃんの股関節が元の位置に戻すために装具を装着します。脱臼の8割はこの装具を装着することにより入院せずに股関節が元の位置に戻ってきます。しかし1歳以降で脱臼が見つかった場合は入院での治療が必要となる場合もあります。

 

脱臼しているかの見分け方

「この子脱臼してるのではないか?」という親御さんの疑問が早期発見につながることがあります。
そのため自宅でできるチェックポイントをご紹介します。

◯股関節の開きの硬さ

股関節を動かしてみて、股関節が固くて開きづらかったり左右で開く角度が違うなどがある

◯太もものシワに左右差がある

「右足には1本しかシワがないのに、左足には2本シワがある」などおむつ替えのときでも大丈夫なので確認してみましょう

 

2つのチェックポイントを紹介しましたが、この2つが当てはまるから絶対脱臼しているというわけではありません。
心配でしたら受診していただいて大丈夫ですし、定期の乳幼児健診の際に股関節のチェックを致しますのでお伝え下さい。

 

生まれてからの予防(股関節に良いこと)

しらないうちに股関節に悪いことをしないように股関節に良いことを知り脱臼の予防をしましょう。

赤ちゃんはO脚で、カエルのようにお股をM字に開いているのが正常で、股関節の動きを自由にさせておくのは良いことです。
しかし厚手の洋服やおくるみなどで股関節の動きを制限したり、M字になっている脚をピーンっと伸ばしておくるみを巻いたりするのは股関節を悪くさせてしまいます。

 

関節に良い洋服とおくるみ

冬に多いのが、家の中で寒そうだからいっぱい洋服を着せてしまい股関節の自由な動きが制限されてしまうことです。
またお股のところにボタンがあるタイプの洋服では、サイズが小さいと股関節の動きの邪魔になっていしまうことがあります。
お部屋を暖かくして、なるべく股関節の動きが自由にでき、サイズの合った洋服を着せてあげて下さい。

また、最近夜泣きでぐずる赤ちゃんに「おくるみ」や「おひなまき」というのがあります。
効果があれば親御さんが休息をとれるアイテムとなりますが、使い方によっては脱臼を促す事になりますので注意が必要です。
「おくるみ」や「おひなまき」をするときは脚をピーンっとして布を巻き付けるのではなく、脚が自由に動けるように巻いてあげて下さい。

 

股関節により抱っこ

赤ちゃんは抱っこが大好きです。いっぱい抱っこしてあげることで赤ちゃんの安心感や愛着形成に繋がりますので、
ぜひいっぱい抱っこしていただきたいのですが、抱っこのしかたによっては股関節を悪くしてしまう可能性があります。

抱っこする時は、脚が伸びている状態ではなく、お股を開いた状態で抱っこする縦抱き(コアラ抱っこ)が推奨されています。
横抱っこやスリングを使用した長時間の抱っこは脚が伸びてしまい、股関節に良いとは言えません。しかし赤ちゃんによっては横抱きのほうが好きで、縦抱きだとないてしまう子もいます。
無理に縦抱きをする必要はありませんので、横抱きでもなるべくお股を開いてあげたり、たまに縦抱きしてあげたりしてあげて下さい。
少し心がけるだけでも脱臼のリスクを下げることはできます。

 

股関節によいおむつの当て方

毎日何回も交換するおむつでも股関節が良い状態に開くためのポイントがあります。

おむつを正しくつけた場合、おヘソが隠れるのが良い状態です。しかしおむつの当て方が低い(オヘソが見えてしまう)と、おしっこやうんち漏れ予防のためのギャザーで太ももが開くのを邪魔してしまいます。
おむつの当て方が低くないのにおヘソが見える場合はサイズが小さくなっているので、サイズアップをお願いします。

脚が長く見える「ハイレグおむつ」を心がけましょう。

 

肘内障とは?

2〜6歳の子供で「腕が痛い、動かない」原因で最も多いのが「肘内障」というケガです。

肘内障は、ヒジの靭帯が外側の手の方にずれることで起こる「亜脱臼」いわゆる「腕が抜けた」状態のことをいいます。

子どもの関節は成長途中で、特にヒジの周りの靭帯は柔らかく、骨の結合も大人に比べて緩やかです。そのため軽い力が加わっただけでも、関節がずれやすくです。

 

肘内障の原因となる動き

基本的には突然手や腕を引っ張ると靭帯が外れやすくなります。

・突然走り出した子どもをの腕を引っ張ってしまった

・転びそうになった子どもの手を引っ張ってしまった

・子どもの両手を大人がもって、持ち上げるようにジャンプしていたら腕が抜けてしまった

・ソファーやベッドから手をついて落ちた

 

治療

なにか衝撃があり、子どもが腕を痛がって動かそうとしないときはまずクリニックにみせにきてください。

肘内障の場合はレントゲンなどの画像診断は必要ありません。診療にて靭帯を正しい位置に戻す処置をします(特別な道具などは使いません)。戻す時に多少の痛みはありますが、治った瞬間スーッと痛みが軽減していくので安心してください。問題なく正しい位置に戻ったかどうかの判断は、数分クリニックで遊んで頂いて、問題なく手を上げたりものを掴んだり、キラキラ星をするように肘から先を動かしたり、いつものようにおもちゃで遊べていれば大丈夫です。

しかし、骨折などが考えられる場合には画像診断の出来る病院に紹介となります。

 

治った後の過ごしかた

帰宅後は、特に腕をかばったり痛みを訴えたりしなければ心配ありません。

普段通り遊んだり、生活していただいて大丈夫です。

 

自分で直そうとしないで病院へ!

いくら気をつけていても子どもたちの突然の動きに腕を掴んでしまい、肘内障になってしまうことはあります。そんなときにネットに肘内障の直し方などが書いてあることがありますが、正しく治らなかったり状況を悪化させてしまったりすることがありますので、自分で直そうとしないでください。また、実は肘内障ではなく骨折している場合もあるので、必ず病院で診察を受けるようお願いします。

 

なにか気になること、不安なことあればアクアキッズクリニックでお待ちしております。

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